同人の著作

詩集 

 『戦禍の際で、パンを焼く』  若尾儀武 

詩は、

遠い戦禍を思う

 

この子の手

きっと立派な

ウクライナの手になるよ

誰かこの子の手をくるんで

連れて行ってやって

くれないか   

 

                   書肆子午線◎2200円+税 購入 

 

詩集 

 『ウムル アネ ケグリの十二月』立木 勲

不安な時代の一隅に生きる   

ヨンとイサオ

ふたりの日々を行き交う

思いのかたちに

詩の言葉が寄り添う

                   書肆子午線◎2000円+税 購入 

 

詩集 

 『反暴力考』冨岡悦子 

日常と事件の境界を    

往来する詩の意識が

希望も、悲しみも

善きことも悪しきことも

自在に跳躍

時代はいま未来を

見ようとしているのか   

<第54回小熊秀雄賞> <第23回小野十三郎賞> 

                   響文社◎2000円+税 購入

 

詩集  

『遠くへ行くものになる』   柴田秀子 

邪念に曇ることのない    

眼差し

その瑞々しい視界に

映じるもの

ひとつひとつに 

生きた来し方が 

刻まれる      

                   響文社◎2200円+税 購入

 

詩集  

『こよりの星』田尻英秋 

くずおれた現実に対峙する    

詩語の硬質な響き

どこに起ち上が れば

世界の秩序は見渡せるのか

異形の抒情詩がここに!         

                 書肆子午線◎2400円+税 購入

 

詩集『きみちゃんの湖』 多田陽一 

障がいと向きあう

子供たちへの

真摯な眼差し

彼らのこころと身体の姿に

言葉が寄り添うとき

いのちの場所がきらめく

長らく特別支援教育に携わってきた著者が綴る

28篇の詩  

<第52回横浜詩人会賞>        

                書肆子午線◎2000円+税 購入

 

詩集『枇杷の葉風土記』 若尾儀武 

戦禍に葬られた人々の聲を

遠い歳月の記憶が消えぬ間に今ここに呼び戻す

いのちと正対した女たち、子供たち

彼らはみな何処へ行った?

いのちは、ほんまに防空壕に入って

守るほどのもんやったんですか、あの時代           

                 書肆子午線◎2200円+税 購入

 

評論『パウル・ツェランと石原吉郎』冨岡悦子

第二次大戦と収容所をくぐり抜け、証言

者としての使命を自らに課すことで戦後

を生き延びた二人の詩人。非人間的なも

のに対抗する詩の倫理を探る力作評論。

15回日本詩人クラブ詩界賞受賞

                みすず書房◎3600円+税 購入

 

詩集『ベルリン詩篇』  冨岡悦子

寓意が消えてゆく風景の果て

 見つめられた現代史の真意

                   思潮社◎2400円+税 購入

 

 

 

詩集『 雪ひとひら、ひとひらが妹のように思える日よ 』河口夏実

夕暮れの天空から

舞い降りた小さな精霊のよう

ニール・ヤング、プレスリー、

ジェシ・ヴィンチェスターの歌

にやわらかな夢幻の

抒情が響きあうとき・・・

   <第27回歴程新鋭賞受賞>

                 書肆子午線◎2400円+税 購入

 

詩集『 ヨンとふたりで』  立木 勲

異郷の妻との暮らし

ふたりをかすかによぎる日々の軋みに

言葉を添える

そこに柔らかな風が吹くと

人と人との境界が見えてくる

                ふらんす堂◎2400円+税 購入

 

詩集『そこに月があったということに』鈴木正枝  

ただあの家のあの木が愛おしいだけ

あの時も今も 

遠すぎる距離が淋しいだけ

時の往来、日々の陰陽にひそむ解き得ない

こころの揺れ、その揺れの小さな叫喚にそっと手を寄せる

               <第13回日本詩歌句随筆評論大賞詩部門大賞受賞>

                 書肆子午線◎2000円+税 購入

 

詩集『流れもせんで、在るだけの川』若尾儀武           

のばした指先にふと消える半島 むこうで根を絶たれ こちらで宙に浮く

少年期を共に生きた異郷の人々への遠い言霊 流れ去った時代の

面影が 水を切る石のように ここに甦る        

 <第24回 丸山豊記念現代詩賞受賞>    

                   ふらんす堂◎2200円+税 購入