創刊によせて

 

私たちは、詩歴も詩の向かうベクトルも異なる少人数の集まりの中で詩を書いてきた。そして、その中で互いの詩を語り、それぞれの書き手の詩世界を共有してきた。その営みを否定するつもりはない。それはそれで多分に刺激的であった。しかし、今ひとつ、詩を書くという行為の意味も含め、そのような在り方だけで、己の詩世界、詩言語をもっと先に伸ばし得るだろうかという疑義を常に抱いていた。 そのような折、誰かが、多くの詩人たちと交流しよう。そのことによって、自己の詩世界や詩を書くという行為の意味、責任をもう一度じっくりと見直そう。と言ったのである。続けて多くの言葉があったが、それぞれに感じるものあって、うん、と頷いてそれが創刊の決意になった。

                 2017.2.28                          詩誌「タンブルウィード」の会代表                       若尾儀武